依りかかりすぎ? 母性の欠如?
私と娘が、夫におんぶされていた。 おんぶされながら、夕飯の献立について、夫と話していた。 「オムライスが食べたい」 と、夫が言うので 「今日は、ソバにしようと思ってたんやけど。ケチャップもないし。それやったらスーパーに着いたら、特価で195円になってるケチャップ買わんとあかんな」 と、私は、返していた。 私と娘は、時々ずり落ちそうになったけれど、その度に夫は体勢を整えて、おんぶし直してくれた。 「やっぱりあんた降りて自分で歩きなさい。お父さん大変やから」 と、私は娘に降りるように促していた。 「そういうお母さんも歩きはったらどない?」 と、降りた娘に言い返されてしまった。 「それもそやね」 と、私も夫から降りて歩くことにした。 アスファルトの地面の上に降りる時、なつかしいサンダルが見えた。 ずっと昔に履いていた茶色の健康サンダルだった。 それに足を通して歩き始めた。 ふと気づくと、娘がいつのまにか二男になっていた。 しかも5歳ごろの二男だった。 二男もしばらくは私たちの後をとことこついて歩いていたが、そのうち、ブロック塀のようなところによじ登って塀の向こうをのぞきこんだ。 あまりに前のめりになったせいで、そのまま塀の向こうに落っこちてしまった。 あああ、と思って、私が塀の向こうをのぞいてみると、二男は、3メートルほど下にまっさかさまに落ちて、両手を打ったようで、火のついたように泣きじゃくっていた。 「そんなあほなことするからや。危ないに決まってるのに。ほんまに」 私はうんざりした気持ちになっていた。 たぶんあの高さでは骨くらいは折れてるかも、 そう思いながら、助けに行こうかこのまま放っておいてやろうか 迷っているところで目が覚めた。 私に娘などいない。